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Column

2020.09.23

こうして「ピンチをチャンスに」変えていく【Part2】

こうして「ピンチをチャンスに」変えていく【Part2】

緊急特別編「コロナ危機を乗り越える」第3回をお届けします。

もはや、〝言っているだけ〟の場合ではない!

コロナ危機の長期化が明確になった頃から、「ピンチをチャンスに」という言葉を頻繁に見聞きするようになりました。本メルマガをはじめ、私たち成長支援グループの中でもよく使っています。

私たちは、世の中のこの流れを大いに歓迎しています。ただし、お題目のように唱えるだけで何ら行動に移さないでいるとしたら、警鐘を強く鳴らし続けたいと思っています。

ところで皆さんは、今が「マーケット縮小の時代」であることをどれだけ意識しているでしょうか。

成長支援グループでは十数年以上も前から「マーケット縮小の時代」を声高に叫んでいました。しかし、マーケット縮小の時代を正面から受け止め、その対応戦略を経営計画の柱に取り入れる企業は、多くはありませんでした。

「少子高齢化が間違いなく進んでいることはよくわかる。でも、目の前に仕事があり続け、みんなで頑張って収益を上げている現状があるので、マーケット縮小を経営計画に反映させるような戦略はまだ打てなかったですね」

 

これは私たちが支援する中小企業の社長さんの言葉です。おそらく、この社長さんと同じ思いを抱いている中小企業経営者は少なくないと思います。当該の社長さんがため息交じりに私に吐いた先の言葉には、経営者としての後悔の念が多分に含まれています。

 

それは、コロナ危機について私と話をしている途中に出てきた後悔なのです。私たちはリモートでこんな会話をしました。少し長くなりますが、一部を再現しましょう。

コロナ危機が運んできた“ビッグチャンス〟

  • A社長「コロナ危機の直前は、人手不足で困る面はありましたが、売上も利益も右肩上がりを維持していました。その売上がまさか半分以下になるとは、予想できませんよね」
  • 近藤「昨年の今頃、コロナ危機を予測した社長さんはいないでしょう。私たちも、もちろん誰一人として今日の危機を予想していませんし、危機がこんなに長引くことも当初は予想していませんでした」
  • A社長「それはそうでしょうね。かといって、我々は〝仕方がない〟とガマンしているわけにはいきません。先生のメルマガを読みながら、なんとかピンチをチャンスに変える道がないか必死に考えていますよ」
  • 近藤「御社の事業は卸売業(法人営業)で、営業マンが頼りの業種でしたね」

  • A社長「はい。でも、今はどう動いても売上は上がりません。かといって、営業マンは皆、プロフェッショナルですから辞めさせられません。みんな実績のある人ばかりですから。なんとか業種の枠を広げて売上を上げようと努力しているところです」

  • 近藤「はっきり言いますが、御社の場合、前回のメルマガに書いた『属人化』の最たるものですね」

  • A社長「はい。うちのことを書いているのでは、と思ったくらいです。でも『標準化』と言われても簡単にチェンジできませんよ」

  • 近藤「丁寧にお読みいただいているようで、ありがとうございます。でも、あそこに書いたことはこれから、つまりマーケット縮小の時代には必須の対応策ですよ。実は、私たち成長支援グループでは今回のコロナ危機について、みんな本心から『突然、コロナ危機がチャンスを運んできた』と捉えているのです」

  • A社長「どういうことですか? 『ピンチをチャンスに』とは、私も社員たちに言っていますが、どうも説得力がなくて……」

  • 近藤「いいですか。私たちは、10年以上前からマーケット縮小の時代がやってきていることを、声を大にして言い続けてきました」

  • A社長「よく存じ上げています。その流れを背景に『成長の三要素』という独自の経営実践論を組み立てたのですよね」

  • 近藤「ありがとうございます。大事なことは、コロナ危機はマーケット縮小時代の渦中に起きているということです。マーケット縮小時代は、生産年齢人口が大きく減少し、それはすなわち消費人口の減少を意味しています。

    整理すると、生産年齢の人口が減少することによって、①国内消費の減少、②働き手の減少(構造的な人手不足)、③地方経済の衰退という三つの流れを運んできます。いずれも、小手先の対策ではどうにもならない潮流です。この流れ、実はコロナ禍がもたらした経営危機の要素とオーバーラップしているのです」

  • A社長「えっ? それはコロナ危機に苦しんでから初めて聞く話ですね。今までマーケット縮小の時代とコロナ危機に共通性があるなどとは全く考えませんでした。ましてマーケット縮小の時代が前倒しでやってきたという考え方はきわめてユニークですね。そもそも、コロナ危機はマーケット縮小どころじゃないと思っている人が大多数だと思います」

  • 近藤「マーケットの縮小は、企業が重大に受け止めていないとしても、国は違います。生産人口の減少、すなわちマーケット縮小のマクロ的な流れを真剣に受け止めています。決して、放置はしていません。

    先の①~③までの三つの流れはそれぞれが合流しながら、大きな本流になりつつあります。それがすなわち『マーケット縮小時代』にほかならないのですが、この流れをピンチではなくチャンスにするために、インバウンド需要の拡大推進、ドラスティックな生産性の向上(働き方改革)、2025問題(団塊世代全員が後期高齢者に)への対応策としてのDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術を駆使するイノベーション)、テレワークとコミュニケーション等のオンライン化などを推進しています。これらの国の政策は、いずれもコロナ危機への対応策と重なります」

  • A社長「おっしゃる通りですね。いやはや、全然気がつきませんでした」

  • 近藤「要するにコロナ危機は、国が想定していたマーケット縮小による重大な経営危機を2年~3年ほど前倒しで運んできたということなのです」

  • A社長「そういう見方、理解の仕方があるとは驚きました。たとえ、コロナ危機が終息しても、バンザ~イと喜んでいる場合じゃないのですね」

  • 近藤「そういうことです。コロナ危機はワクチンが開発されれば終息するでしょう。マーケット縮小がもたらす経営危機は、一過性のものではありませんし、特効薬はありません。どこの企業も、自分たち自身で乗り越えていかなければならないのです。言葉を換えれば、企業経営の中身を大きく変える、つまりイノベーションを本気で、そして経営者、管理者、社員みんなが一体になって実践して結果を創り上げなければならないのです」

  • A社長「わかりました。近藤先生の言わんとするところは、コロナ危機対策とマーケット縮小を乗り越えるためのイノベーションは、重なる部分が多々あるということですね。今から全社的に真剣に取り組んでいけば、2025年問題が現実になるころには、マーケット縮小を乗り越える企業体質が出来上がっているということなるのでしょう」

  • 近藤「具体的にどうイノベーションするかは、一緒に考えていきましょう」

  • A社長「コロナ危機をピンチではなくチャンスをするということの意味がよくわかりました。ありがとうございます」

DXで変わる営業活動と社内コミュニケーション

A社長との会話の中で、DX(デジタル技術を駆使するイノベーション)に触れました。前回のメルマガでも書いたテレワークやオンライン化は、DXの中のひとつの変化です。前回の末尾に「次回は〈生産性を上げる〉と〈選択と集中と『付加価値』〉について述べるとお約束しました。しっかり述べましょう。実は、生産性の問題も、付加価値の問題も、対応策の柱はDXが出口となります。

 

「生産性を上げる」というのは、具体的には、従来2時間でやっていた仕事を1・5時間でやるということ、あるいは2人でやっていた仕事を1・5人で済ませるということです。

はたして、皆さんの職場でこの課題をクリアできる余地があるでしょうか。今の仕事のやり方と同じことを続けていたら、絶対にできません。方法はたった一つです。DXの出口に向けて、仕事の進め方をドラスティックに変えることしかありません。当然、その過程でAIを駆使する部分も出てくるでしょう。AIはマーケット縮小時代には必須のツールであり、助っ人になります。

 

DXへ進む中で、職場の有り様も変わります。端的にいえば、全員が毎日集まって仕事することが不要になります。このことだけでも、生産性(労働時間・コスト等)は大きく改善されます。

仮に、同じ事業を続けていくとしても、必要になる人員は現在の半分近くになるかもしれません。

では、生産コストが一挙に大幅に減少したとしたら、その分を何に使うかといえば、「ターゲットとするお客様は?」「わが社は何よってそのお客様に選ばれるのか」を徹底して絞り込み(選択と集中)、付加価値を高めていくことに費やすのです。

お客様に支持され続けることに集中し、企業コストを使う。このことによって収益力は自ずと高まっていくのです。

 

近藤浩三

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近藤浩三

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