経営に役立つコラム

Column

2021.09.21

管理職が担っている部下育成の5大要素【その4・人を育てる技術②】

前回は「人を育てる技術」について述べましたが、ここは非常に重要なところですから1回だけでは呑み込めないと思います。そこで、今回も同じテーマ、すなわち「人を育てる技術」について前回の解説を振り返りながら重ねて述べることにします。

管理職が担っている部下育成の5大要素【その3・人を育てる技術】

 今回は、[部下育成の五大要素]の一つ、人を育てる技術について述べていきます。念のために[5大要素]とは何かを確認しておきましょう。次の通りです。
① ルールを守らせる
② 実務の「型」をチェックし、実行管理(PDCA)をする

マネジャーなのか?プレイヤーなのか?

管理者と部下のやりとりを実際に見たり聞いたりすることがよくあるのですが、その場に行って管理者のほうに尋ねたくなるシーンがよく現れます。こんな風に、です。

「課長さん、あなたはマネジャーですか? プレイヤーですか?」

課長ですからマネジャーにほかならないのですが、聞こえてくる話の内容からすると、むしろ「プレイヤーではないか」と思うことが多々あるのです。どういう話し方か一例を示しましょう。

「(部下の電話での話し方を聞いて、終わったとたんに)○○さんねえ~、そんな話し方じゃ全然ダメだよ。売れるものも売れなくなるよ。私は新人の頃からそんな言い方をしたことがないなあ。あれじゃ押し売りだよ」

そのあと、まるで自慢するように「たとえば、□□のときはこういう言い方をするんだよ。私がお客様と電話をしているときの話し方をよく聞いてくれよ」と、自慢話のような指導が続くのですが、こんな会話が続くと、部下のほうは「また自慢話か、早く終わらないかな」くらいに思っているはずです。

プロ野球などスポーツの世界には「名選手必ずしも名監督にあらず」という格言があります。現役時代にいくら輝かしい実績を残したとしても、その技能を後輩に伝える考え方やノウハウがなければマネジャーとして成功しないという意味ですが、会社の管理者と部下の関係も同じことがいえるのです。

管理職に就いている中堅あるいはベテラン社員は、とかく自分自身の‟名プレイヤー„ぶりを若手社員に自慢する傾向があります。とりわけ部内の酒席になると、部下が辟易するほど自慢話のオンパレードになりがちです。これを何度も重ねると、部下たちの気持ちはどんどん離れていき、やがて「もうあの上司の下ではやっていられない!」と辞めていくことになりかねません。

また、中小企業では管理職といってもプレイングマネジャーの場合がほとんどであり、必然的に「オレの後についてこい」的なリーダーになりがちです。これは言葉を換えれば、「オレのやり方を見本にすれば、実績が上がり、昇進も早くなるよ」と言っているようなもの。実際に、部下にそう言っている管理職も少なくないようです。

自ら考え、自ら振り返る部下に育てたい

前回も指摘したように、経験の少ない未完成の若手社員を部下に持ったら、まずやるべきは、どういう社員に育ってもらいたいかというビジョン(出口)を明確にすることです。

「どういう社員に育てるか」という出口の明確化は、決して一様ではありません。部下の一人ひとりに個性があり、長所や短所があります。なぜこの会社に入ったのか、自分の将来をどう見ているのかも一人ひとり異なります。ただし、マーケット縮小かつ労働人口の減少という厳しい経営環境の中で成長していくにはどういう人財が必要かという全社共通する目標を掲げることはできます。

私たちG.S.ブレインズグループが掲げている人財像は「自律人財」<自ら考え行動できる人財>です。マーケット縮小の時代は、社員をこういう人財像で育てていかなければ、生き残れないし、企業成長など到底できないと私たちは考えているのです。「とにかく売れ!」といった号令で部下を動かす時代はとっくに終わっています。このような話をすると、「それはわかっている」という顔をする管理者が少なくないのですが、現場においては結局「とにかくやれ!」式の号令で動かそうとしている姿はなかなか消えません。

こういうチーム運営をする管理者に多いのがプレイヤー型・実務優先型です。このタイプの管理者では、社員15人以上(規模3以上<成長の3要素・規模対応図>)の会社では成長にブレーキがかかります。今日のようにDX(デジタル・トランスフォーメーション)が普及するにつれ、存在感を失っていきます。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにテレワークやリモートコミュニケーションが急速に普及しつつある状況の中では、「とにかくやれ!」「俺の背中を見て仕事をしろ!」といった怒鳴り声で部下を動かすことができなくなってきました。

では、どのように育てればよいのかという問題になってきますが、その答えの全体像は前回の本欄でお伝えしました。振り返っておきましょう。次の6段階のアプローチが絶対的に必要になってきたと、我々は考えているのです。

〈部下育成の技術〉6つのアプローチ

〈部下育成の技術〉6つのアプローチ
①知る→②聴く→③観る→④認める・ほめる→⑤伝える→⑥→任せる

前回は、この6つのアプローチを簡単にお伝えし、その出口を「自分の代わりをつくること」としました。この出口の表現は前述した<自律人財>「自ら考え行動できる人財」と同じことです。ただし、「自分」という部分が「とにかくやれ!」式の運営だとしたら「自分の代わり」に怒鳴るリーダー・命令するリーダーを再生産することになってしまうので、今回は表現を変えて「自ら考え行動できる人財」としました。この6つのアプローチの詳細は、次回以降、随時解説していきます。

ちなみに、部下育成は自分を知り(たとえば、自分を「マネジメント型」だと思うか、「プレイヤー型」と思うかなど→プレイヤー型と思うなら本欄で学び、「マネジメント型」に自分を変える必要がある)、相手を知ることから始まります。

今回の最後に、「部下を知る」ために必須となる7項目を掲げておきます。

① この会社を選んだ理由は何か
② 何でやる気になるか・モチベーションが上がるか
③ 強みは何か、弱みは何か(性格とスキル両面から)
④ 何の能力を伸ばしたいか(あるいは、引き出したいか)
⑤ 仕事の目的を理解しているか(なぜこの仕事をやるのか)
⑥ 仕事の目標を認識・理解しているか(当年度や3年後・5年後など)
⑦ 自分の周りの仲間との関係(たとえば、同期・同僚など)を良くするために取り組んでいることはあるか

近藤浩三

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