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2021.03.10
短期間で生産性があがる!トレーニングの4ステップ

今回からは部下育成について考えていきます。(図1)前回まではトレーニングシステムの作成と活用をみてきました。仕組みを運用するのは「人」です。育てる側が部下育成の仕方を理解し実践しているかどうかが大きなポイントです。仕事を教える際の基本になる「トレーニングの4ステップ」についてみていきましょう。

トレーニングの4ステップ
仕事を教える時に大切なのはトレーニングの4ステップにそっていくことです。(図2)それは「準備」⇒「提示」⇒「実行」⇒「評価【認める】」です。案外この中でできていないのが「準備」と「評価【認める】」です。この2つができていないとトレーニング効果が弱くなります。
それではトレーニングの4ステップを一つずつ見ていきましょう。

4ステップ①準備
準備はトレーニング開始前に行うことです。この準備をしっかりとしていないといきあたりばったりのトレーニングになってしまいます。準備の段階で行うのは次の3項目です。
スケジュールの決定
どこのポジションをトレーニングするのかを決めます。そしてそのポジションでのトレーニングに専念できるような人員配置にします。
作業手順書の準備とポイントの決定
手順書やマニュアルを準備し教える内容を一貫とします。当日のトレーニングの重点ポイントを決めます。
用品・備品の確認
トレーニングする項目の用品、備品が揃っているか使えるのかを確認します。
4ステップ②提示
準備をしたならば実際に教えていきます。その際に行うのが「提示」です。提示のポイントは次の3項目です。
基準通りに具体的に教える
正しい基準通りに基本を正確に教えます。細かい作業まで具体的に教えることです。
完成品の基準を見せる
正しい完成品(商品・接客・並べ方等)を見せます。最初に見たものを真似するようになります。
理由を教える
どうしてこの作業をするのか等、理由(なぜ)を教えます。
とくにこの理由を教えることは大切です。なぜやるのか理由がわからないと継続しないからです。理由のわからないものはやめてしまうのです。そして、理由を教えたならば必ず確認します。確認は質問をして話させることです。理由を言えないならば理解がされていないことになります。
4ステップ③実行
提示のつぎに「実行」です。実行のポイントは次の3項目です。
まずやらせる
提示がおわったらまずやらせます。
間違い箇所のみ訂正する
いろいろと指摘するのではなく間違いのみを指摘します。
相手の態度に注意する
緊張している等態度を注意してみます。ときにはリラックスさせたり詰め込みすぎたりしないようにすることです。
実行ではとにかくやってもらうことが大切です。一通り教えてからあとでやってもらうのでは教えたことが身に付きにくいです。
4ステップ④評価(認める)
実行の次は「評価(認める)」です。評価(認める)のポイントは次の3項目です。
最初に認める
できるようになったこと、できていることなど些細なことでも認めます。
不足を確認する
できていないところを一緒に振返ります。
質問を受ける
些細なことでも疑問やわからないことに対しての質問を受けます。質問を受けたならばどんなことでも否定せずに答えましょう。
よく起こることとして早く育てたい、早くできるようにしたい、早く気づかせたいと思えば思うほど「×=指摘」が多くなります。そして、認める言葉がなくなります。指摘ばかりでは相手は成長しません。何をしてもダメ出しされると思ってしまいます。続くと退職してしまうでしょう。早く育てたい気持ちはわかりますが逆効果になってしまいます。
トレーニングの4ステップで振り返る
見てきたトレーニングの4ステップで育てる側の人に振り返りをしてもらいましょう。できているところと足りないところがあると思います。足りないところをなくしていくだけでトレーニングの効果はあがります。
<ポイント>トレーニングの4ステップでトレーニング効果を高めること。