2021.10.12
コロナ融資の借入で手元資金が潤沢でも、2022年は返済が始まる・・・その準備は?
これから売上が増加するので手元資金も増えるとお考えの経営者様もいらっしゃいますが、手元資金が潤沢でも、進行期の損益計算書…
東京都千代田区水道橋、神保町の税理士法人 G.S.ブレインズ税理士法人
Column
2021.11.04
売上が増えると、手元資金が増えると思っている経営者は多いようです。注意したいのは、売掛金の回収金額(現預金)が増加したときに、回収金額が増えているから資金繰りは廻っていると勘違いしてしまうことです。
実は、売上が増えると仕入と在庫が増えます。売掛金の回収までの日数は変わりませんが、仕入の支払いが先行し、在庫が増加します。つまり売上が増加した分、仕入と在庫の増加資金が必要です。これが運転資金です。
運転資金とは、「企業が事業を行うために必要となる資金」の総称です。
・商品を売っても現金がすぐに入ってくるとは限りません。翌月に振込入金等、回収条件によって入金時期は異なります。
・商品は先に仕入ますので支払いは先行します。
☆入金と支払いのタイムラグの間に、足りない資金を補うのが運転資金です。
毎月同額の仕入をし、毎月同額の売上があれば資金繰りは廻ります。
不足の事態をさける為に月商1ヶ月分を現金・預金と在庫とした場合、現金・預金は100万円となります。
月末に売掛金の入金と買掛金の支払があるので同日入出金となります。預金・現金が100万円あるので月末に売掛金の回収が遅れても支払いは出来ます。
運転資金は、売上債権(売掛金+受取手形) + 棚卸資産 - 買入債務(売掛金+支払手形)で計算することが出来ますので、必要な運転資金は120万円となります。
※売掛サイト(回収条件)や仕入サイト(支払条件)、在庫の調整等で条件異なります。
売掛金は2倍 100×2=200
在庫も2倍 100×2=200
買掛金も2倍 80×2=160
運転資金は 120万円 ⇒ 240万円 へ増加します。
現金・預金も増加はしますが、月末に売掛金の回収が出来ないと、買掛金160万円の支払いが出来ません。通常は、月の売上が突然2倍になることは少ないと思います。毎月の売上が5%程度の増加ですと、運転資金が必要とは感じないでしょう。
決算申告後、預金残高が納税の支払いによって減少すれば、増収増益なのに手元資金が不足する事態になります。金融機関へ納税資金の借入が受けられたとしても、金融機関では納税資金は短期借入(1年以内の返済)の扱いになるので、また数か月後に資金不足となります。根本的に増加運転資金が必要です。長期の運転資金または、短期借入の期限一括(毎月返済無し)の対応が必要になります。
毎月の売上の増加に関心を持ち、運転資金の確認を致しましょう。
毎月5%程度の売上増加…6ケ月後で1.34倍
毎月10%程度の売上増加…6ケ月後で1.77倍になります。
9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
毎月5%増加 | 100 | 105 | 110 | 116 | 122 | 128 | 134 |
毎月10%増加 | 100 | 110 | 121 | 133 | 146 | 161 | 177 |
毎月の売上と仕入を確認すること、それは今後の予測の損益計算書を作成して、資金繰り表を確認することです。経営の安心安全をお考えでしたら、損益計算書の予測と資金繰り表を毎月確認し、振り返りをすることをお勧め致します。
このように、売上が増加した分、仕入と在庫の増加に対応する資金が必要です。今後売上の増加が見込まれるお客様は金融機関へ増加運転資金の借入をお薦め致します。
ご相談は、お客様相談室の中里まで、お気軽にお声掛けください。
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